母が圧迫骨折で入院。老人ホームへの入所を決意しました。(1)

カテゴリー つれづれ, 父のこと、母のこと

最初はかなり嫌がっていた介護サービスの利用に、やっと母が少しずつ慣れてきてくれた。

デイサービスなどは、寧ろ楽しみにしている様子。そんなものだと周りの友人からは聞いていたが、母も馴染んでくれて本当によかった。これで家に引きこもりがちにもならず、新しい友達もできてくるだろう。

ケアマネジャーからも、母の介護度である要支援2の場合、デイサービスは週に2回利用できるので、もし母にその気があるのであれば回数を増やしてみては?との勧めもあり、母に打診しようとしていた矢先。

日曜日の夜20時に母からの電話が入った。冬支度のため押し入れの天袋にものをしまおうとしていて踏み台から落ちた、腰が痛くて動けないからもう寝る、と。

嫌な予感がした。


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月曜日の朝に電話すると、腰の痛みで夜眠れなかったとのこと。今日は一日ゆっくりベッドで休むように言って家を出た。お昼ごろ母から電話が入り、足腰が立たない、動けない、助けてほしい、とだけ言ったきり一方的に電話を切られてしまった。

私は東京、母は奈良。すぐに駆け付けることもできない。

業務の範疇を超えていることは承知しているものの、ケアマネジャーに母を見に行ってもらうようお願いした。幸いケアマネジャーの事務所は実家のマンションの一角にあるので、私が遠方に住んでいることを承知しているケアマネジャーは快く応じてくれた。本当に感謝である。

が、ケアマネジャーがマンションのドアまで行ってくれたものの、母はドアを開けられないという。ケアマネジャーがドアの新聞投入口越しに(古いマンションなので)母に声をかけると返事をするのだが、扉の内側の鍵まで手が届かないのだ。母が普段休んでいる部屋は玄関のすぐ脇なので玄関までは何とか這ってきたらしいのだが、鍵を開けるために体を起こすことができない。

どうしましょう、とケアマネージャーから電話が入る。彼女の電話越しに母の声が聞こえる。声はしっかりしているようだ。

他に親戚もいないので、スペアキーを持っている人は奈良にいない。ちょうどもしもの時のためにスペアキーを預かってくれるサービスを利用しようと準備をしていたところだったのだ。実家のマンションの鍵は過去に父と母が防犯のためということで特殊なタイプのものに交換していて、スペアキーを作るのに1ヵ月の待機期間中。もしもの時って、ちょうど今こんな時のことだ。

どうしましょう、鍵屋を呼んで鍵を開けてもらいましょうか、などと電話越しにケアマネージャーとやり取りをしていたが、床からドアの鍵までたぶん1メートル程度の高さ。痛みがつらいだろうけれど何とか母に頑張るよう言ってください、とケアマネージャーに伝える。電話口でやきもきしながらなんだか本当に情けない気分になった。

なんとか母がドアを開けてくれた。本当に足腰が立たない状態になっているとのことで、ケアマネージャーが救急車を呼んでくれた。「救急車なんて、そんな大層な・・・」という母の声が電話越しに聞こえた。救急車を呼び、保険証や着替えをバッグに詰めるなど簡単な支度も手伝ってくれたようだ。

夜、搬送先の病院から電話があった。圧迫骨折で、約3ヵ月の入院とのこと。もしかしたら手術を行う必要があるかもしれません、と言われた。84歳の高齢者が手術を受けて果たして良い結果が得られるものなのだろうか。

とにかく今日入院したばかりのこと、病院側もまだ経過を見る必要があるだろう。手術の要否も家族である私と相談してからの決定になると考えられる。残念なことではあるけれど、病院にいるのであればとりあえず家で一人でいるよりは全然安心できる。遠方であるが故にそう頻繁に行き来もできないのだから、よく考えて段取りをしてから帰ろることにした。

続く

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