母の老人ホームを探し始めたとき、老人ホームの種類など理解していなかったし特に気にもしていなかった。主に場所や費用などの面からばかり検索をしていたからだ。
ネット上での検索だけでなく、実際に相談センターの扉を叩いて専門家の話を聞き、いくつかの老人ホームを見学させていただいて、ようやく少しずつその定義が分かってきた。
老人ホームには、主に下記のような分類がある。
家族が高齢の親の老人ホームを探す際に対象となることが多い、
1. 介護付有料老人ホーム
2. 住宅型有料老人ホーム
3. グループホーム
4. 特別養護老人ホーム
5. サービス付き高齢者向け住宅
の5つについてはもう少し詳しくその特徴を下記に記載した。
[quads id=1]
1. 介護付有料老人ホーム
介護が必要な高齢者が対象になる。特定施設入居者生活介護の指定を受けている有料老人ホームであり、食事や入浴、掃除や洗濯、排せつなど日常生活全般の介護サービス・生活サービスの提供が受けられる施設。
2. 住宅型有料老人ホーム
介護が必要な高齢者・不要な高齢者の両方が対象となる。食事などのサービスは提供されるが、介護が必要な高齢者は訪問介護など外部の介護サービスを受けることになる。要介護度が重度になると、介護費用が高くなる場合がある。
3. グループホーム
認知症の高齢者が、介護スタッフの援助を受けながら小規模な人数(5~9人を1ユニットとする)で共同生活をする施設。食事の支度、掃除、洗濯等を介護従事者と共同で行う。家庭的で落ち着いた雰囲気の中で生活を送り、リハビリやレクリエーションの機能訓練を通して認知症状の進行を緩やかにし、家庭介護の負担軽減を目的とする。要支援2以上の認定を受けた高齢者が対象であり、地域密着型サービスのため施設のある市区町村に住民票があることも基本条件となる。
4. 特別養護老人ホーム
地方公共団体や社会福祉法人などが運営する施設で、食事や排せつの介助などの介護サービスを中心に提供する施設。要介護3以上の高齢者で、寝たきりや認知症など比較的重度の場合、自宅での介護が必要な場合、緊急性の高い場合などが入居の優先対象となる。このため入居待ちのケースが多く、入居待機者数は全国で約40万人とも言われている。
5. サービス付き高齢者向け住宅
バリアフリーなど高齢者に配慮された住宅に、安否確認、生活相談サービスがついたもので、一般の賃貸住宅扱いとなる。生活支援サービスを受ける場合は、別途サービス利用の契約が必要。必要に応じて食事提供、訪問介護などを受けることができ、入居者のニーズに合った住まい方を選択することができる。
老人ホームの種類の定義が分かっていれば、自分のケースではどのタイプのホームを探せばよいかの参考になるのである。
私はたまたま上記1~3および5に該当する4種類の施設を、あまり種類を理解しないまま見学させてもらった。
たとえば私の母の場合、認知症の傾向があるが現時点ではまだそれほど重度ではないので、1. 介護付有料老人ホームだと、例えばこれまで通っていた外部のデイサービスには通えなくなってしまうなど少し自由度がなくなってしまうのである。
また、4. 特別養護老人ホームは要介護度が条件を満たしていないので入居することはできない。
ということで、現状の母の状態に合っているのは 2. 住宅型有料老人ホームか 5. サービス付き高齢者向け住宅 ということになる。現在は 5. サービス付き高齢者向け住宅 が増えているそうだ。
現在母は関西、私は東京に住んでいるので、いくつか実家の近くで見学をさせていただいた施設の中から、5. サービス付き高齢者向け住宅 に待機者として入居の申し込みをしようと考えている。また、先々認知症が進んだときのために、東京の私の現在の住居の近隣にある 3. グループホーム にも待機者として登録をしている。今は満床なので入居はまだまだ先になるが、そのときには事前に母の住民票を東京に移す必要がでてくる。
当然ながら、ほとんどの高齢者は老人ホームに入りたがらず、住み慣れた我が家での暮らしを望んでいるという。母も多分に漏れずなのでなるべく長い間希望通りにしてあげたいのだけど、とりあえずもう一人では無理、となったときにここに入ってほしい、という施設が関西・東京双方で決まったので、勝手ながら娘としては少しだけホッとしているのである。