介護初心者:高齢者の転地に伴う役所での手続きについて

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わたしが母を引き取ることに決めたので、母には約40年住み慣れた奈良市を離れてもらうことになりました。母としては複雑な気持ちだったはずです。本当はこんな高齢になって、遠く離れた東京なんかに移り住みたくなどなかったでしょう。申し訳ないと思います。

その分、大事にしなくちゃね。

役所の届けは何かとたいへんです。自分自身も何度か引っ越ししたことがあるので初めてではありませんが、母の代理としての手続き、かつ高齢者特有の手続きがあるので何かと戸惑いました。

転出・転入届

今回母の引っ越しの準備のために、移動予定日より10日ほど前に奈良に行きました。予想外のことがあると困るので、まずは市役所に。

市役所では、まず転出の手続き。新しい転入先に提出する書類を交付されました。転出側では特に問題なし。

転入先は東京都中央区。母の移動日には区役所に行くことができず、4日後に区役所に転入届に行きました。2週間以内であればさかのぼって転入届を出すことが可能です。手続き上、転入日は実際に母が移動した日にしました。

転入手続き時には何が問題になったのか、かなり時間がかかりました。これまでもそうだったので、母と一つ屋根の下に住むものの世帯を分けて登録しようとしたのが引っ掛かったのかしら。委任状の提出を求められ、高齢と身体マヒのため母に委任状を書いてもらうことができない旨説明すると、職員さんたちでしばらく相談した結果、書類の余白にわたし自身で事情を記入することでなんとか受理してもらえました。

こんなときには、前もって成年後見人の登録をしておけばきっと手続きがスムーズに進められるのかもしれません。

後期高齢者医療被保険者証

後期高齢者医療被保険者証

移転元の奈良市で転出手続きを行ったあとにその足で「福祉医療課」に出向いて移転先で提出する書類を受け取りました。

保険証は返却しなければならないと思っていたので、新しい保険証が届くまで何かあったら、と事前に保険証のコピーをとっておいたのですが、心配無用でした。新しい保険証を受け取ってから返却してくださいと、返信用封筒までいただきました。親切。

中央区での転入手続きのあと、「保険年金課資格係」の窓口へ。自治体によって係の名称ってかなり違うのですね。そちらで新しい「後期高齢者医療被保険者証」発行の手続きと、「後期高齢者医療限度額適用・標準負担額認定証」発行の手続きを行いました。それぞれ担当者は異なるようでしたが、同じ窓口で担当の方が変わって手続きをしてくれました。

後期高齢者医療限度額適用・標準負担額認定証

「後期高齢者医療限度額適用・標準負担額認定証」は、非課税世帯でかつ一定の年金額以外の所得がない人に交付され、入院をした際に一部負担金限度額が適用されるものです。

この証によって療養を受ける場合は、次のとおり一部負担限金度額が適用され、食事療養負担額又は生活療養標準負担額が減額されます。
(1)療養を受ける際に支払う一部負担金の額は、医療機関等ごとに1か月につき、別に定められた額を限度とします。
(2)入院の際に食事療養を受ける場合に支払う食事療養標準負担額又は生活療養を受ける場合に支払う生活療養標準負担額は、別に厚生労働大臣が定める減額された額となります。

まだ東京と奈良で別々に暮らしていた2018年、母は自宅内転倒などで3回入退院を繰り返しました。

そのときわたしは既に会社を辞めていたので1年に3回の入院はかなり打撃でしたが、3回目に入院をした市立奈良病院で「後期高齢者医療限度額適用・標準負担額認定証」なる制度があることを教えていただきました。

知っているのと知らないのとでは大違い。高齢者を世帯が分かれている場合には、該当するかどうか確認する価値はあると思います。

介護保険被保険者証

介護保険被保険者証および介護保険負担割合証

こちらも転出・転入の場合には手続きが必要です。

母は奈良市で既に要介護4の認定を受けていました。今回の移動のために事前に中央区の地域包括支援センター(高齢者福祉関連などの相談に乗ってくれる行政機関)に相談にいって、一から認定の手続きを行う必要はなく、既に認定されている要介護度は転入先でも引き継がれることを確認していました。

奈良市での転出手続きの際、転入先が老人ホームなどの施設でなければ特に手続きは不要であるとの案内を受けました。

転入の手続きの後、介護保険の手続きのために「介護保険課」へ。

そこで手続きを行い、「介護保険被保険者証」「介護保険割合負担証」はスムーズに発行していただけたのですが、「介護保険負担限度額認定証」だけつまずいてしまいました。この「介護保険負担限度額認定証」を改めて交付してもらうには、母の転出元である奈良市の「非課税証明書」が必要になるとのこと。

介護保険負担限度額認定証

聞いてない~

転出の担当者に、奈良市側での手続きは不要、との案内を受けていたものの、念のために介護保険課にも立ち寄って改めてわざわざ手続きの要否を確認したのに・・・

と、嘆いてもどうしようもなく、当分奈良に行く予定もなく、役所同士で非課税の確認をするのはすごく時間がかかると説明を受け、やむなく奈良市に郵送で母の非課税証明書を取り寄せることに。

「介護保険負担限度額認定証」を交付してもらえると、特別養護老人ホームやショートステイをかなり安く利用させていただけるので、まだまだこれからあてもなく次のビジネスをはじめていかなければならないわたしはとっても頼りにしている制度。ここはめんどくさいなどと言ってはいられないのです。

ホームページから申込書をダウンロード・印刷したものに必要事項を記入し、300円分の郵便定額小為替と返信用封筒を同封して奈良市役所に送りました。

ほどなく非課税証明書が届いたので、2か月分の出入りが記帳された母の銀行通帳のコピーを同封して中央区に郵送しました。ほんとうは直接窓口に持っていって不備がないか、どれくらい日数がかかるかなど確認したかったのだけど、まだ引っ越してきたばかりの母は不安がってあまり長い時間ひとりにしておけないので(30分くらいで騒ぎ出す)郵送で手続きすることに。

もうひとつ、介護保険関連で非課税証明書を郵送で提出する手続きがあったのですが、こちらは書類を投函して4日ほどで手続き完了の通知があったのに、「介護保険負担限度額認定証」のほうは10日経ってもまだ音沙汰なし。間にお盆休みを挟んでしまったこともあってお忙しいのだろう、とアテにしている認定証の到達を待つ今日この頃なのでした。

介護保険受給資格証明書

介護保険についてはもう一つ「へー」と思ったことが。

奈良市で転出手続きをした際に、転入先の介護保険担当窓口に提出するように、と「介護保険受給資格証明書」なるものが交付されたのですが、介護保険の手続き時、特に提出を求められもしなかったので、すっかり提出を失念してしまいました。

母が引っ越してきてから2週間くらい経ったこと、その書類が手元に残っていることに気づいて、あわてて中央区の介護保険担当部署に電話で問い合わせたところ、今は転入元と転入先とでシステムの連携ができているので、その書類を提出しなくてもきちんと受給資格などが引き継がれるのだとか。

安心しました。

年金

転出時も転入時も、年金についての手続きは何の案内も受けませんでした。何も手続きはいらないっていうこと・・・?

ほとんどの母の移動の手続きが完了してしばらくしてから、奈良の古い住所に送られている母あての日本年金機構からの通知が転送で届いたので、通知に記載されていた「ねんきんダイヤル」に問い合わせたところ、「ほとんどの場合」各自治体の台帳と年金は連携がされているので手続きは必要ないとのこと。

今回転送で届いたので母の場合はどうなのか聞いてみると、どうやら「ねんきんダイヤル」ではわからないらしい。その仕組がよくわかりませんが・・・

とにかくもう少し待ってみて、いつまでも転送で通知が届くようであればもう一度問い合わせてください、とのことでした。・・・

ただでさえ引っ越しに伴ういろいろな手続きっていろいろあってたいへんですが、高齢者の引っ越しとなるとまたいろいろ勝手が違って戸惑ってしまうものですね。

市役所・区役所などの自治体ではいろいろな担当が細かく分かれていて、あっちこっちに問い合わせなければならないのが面倒ですが、どの窓口の担当の方も親切にいろいろと教えてくださるので、わからないことはひとつひとつつぶしていくしなないんだなーと実感しました。

あと、窓口に出かけなくても電話でいろいろと手続き方法を教えてくださるので、各自治体のホームページを見ても手続き方法がわからなかったり、ちょっと特殊なケースの場合にはまずは電話で問い合わせるのがよいようです。

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