老人ホーム入居までの手続きの流れ

カテゴリー 「住」について, 介護

親が老人ホームに入居することに決まったら、様々な契約・手続きがある。

親の状況や入居するホームの決まりにもよってそれぞれ異なると思われるが、私のケースを記録しておきたいと思う。私の場合は、私が東京、母が奈良という遠隔だったので、郵送や電話で対応する部分や実際に私が立ち会うことができない過程が多かった。

また、入院中の母が入院しながら要介護度の区分変更申請(要支援2→要介護3)を行ったことも、やや異例なのだと思う。

因みに母がお世話になる予定の施設は、「サービス付き高齢者向け住宅」と呼ばれるタイプのもの。老人ホームの種類については、過去の記事「老人ホームの種類」を参照されたく。


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申込み

実際入居の申込みをする際には、様々な必要書類を提出しなければならない。母の利用予定の施設では、下記の書類の提出が求められた。

(1) 入居申込書(施設指定のもの)
こちらは郵送で提出。実際には、ホームを決めるにあたって老人ホーム相談センターを利用したのだが、入居したいホームを決定した際に同センターが郵送してくれたものを送り返し、同センターが施設に提出をしてくれた。先にこの申込書を提出することにより、空き室の順番待ちができるようになるので、入居したい施設が決まったら早めに提出しておくといいかもしれない。2018年10月中旬に提出。

(2) 入居者(母)の介護保険証、後期高齢者医療保険証のコピー
親の介護保険証、後期高齢者医療保険証の番号やコピーは何かと必要になることが多いので、コピーを手元に置いておくとよい。年に一度更新されるので、手元にあるのが最新版であるようにしておくこと。2018年11月11日に投函。

(3) 私の身分証明書コピー
入居する母の保証人となる私の身分証明書コピー。2018年10月中旬に(1)と共に提出。

(4) 入居者(母)の写真
何かの時のために、とのこと。特に突っ込んで質問をしなかったのだけど、何かの時って何だろう。徘徊などで行方不明になったりした場合なのかな・・・などと邪推。2018年10月中旬に(1)と共に提出。

(5) 診療情報提供書

(6) 看護サマリー

(5)、(6)の書類は、母が入院をしていたため、退院の際に入院していた病院が作成してくれた。病院側の、これまでの病状の記録兼意見書であると思われる。

(7) 健康診断書(施設指定のもの)
かかりつけ医にお願いして書いてもらう。母の場合は入院をしてしまったので、入院をした場合は入院先の医療機関に作成をお願いするのが一般のようだ。心電図や血液検査も必要で、入院中に併せて行ってくれた。この結果次第では施設側で受入れ不可となることもあるので、この書類は一足先に提出が求められる。

面談 ~ 入居審査

必要書類が揃ったら、それらの書類を元にホームの担当者と入居予定者の面談が行われる。本来家族である私が立ち会うのが一般的だと思われるが、私は立ち会うことができなかった。

たぶん書類だけでは分からない健康の状態や人柄などを見るのだろう。面談で断られることがあるかどうかは分からない。母は外面(ソトヅラ)がよいというか、よく言えば人当たりがよいので特に問題ないだろうと思っている。

2018年11月25日(日)入居予定のホームの所長より電話が入り、病院から健康診断書(上記「申込み」の(7))が郵送で届いたという。日程を逆算するとそろそろ面談日を設定しなければならない。私が立ち会うことができないので、病院側の担当者の話も聞きたいとのこと。週明け、病院に母の退院の見込みと面談日について私から確認の電話を入れることになった。

同11月26日(月)、入院先の病院の「地域連携室」担当者から電話あり。退院のタイミングはホームの入居に合わせるよう取り計らってくれるとのこと。ホームの入居の面談日程は、病院側の立ち合いの都合もあるので私を間に挟まず、病院とホームとで直接話し合って決めてくれるという。

結局、同11月28日(水)にホームの担当者が病院の母の病室を訪問し、面談を実施した旨事後の連絡があった。同12月25日(火)に退院およびホーム入居の予定で進めることとなった。

契約・入居日程調整

本来であれば、入居前にホームとの契約を済ませて入居日等の打ち合わせをするのが当然ながら一般的なのである。ところが私は遠方に居住しているため、やや異例ながら入居当日に契約を行うことになった。

先に重要事項説明書をお送りします、とホーム側が言ってくれたのだが、母の要介護度の結果通知がなかなか届かなかったためホーム側が書類の準備をすることができず、結局書類が出来上がったのは私の帰省予定日の1週間前。それから郵送していただいても目を通している時間があるかどうかわからず、また書類と私が行き違いになっても面倒なので、重要事項についても入居日と同日に説明を受けることとなった。

契約

上述のように、入居日に契約を行うという強行日程となった。予想はしていたけれど、一日で入居を契約を済ませるのはかなりハードだった。私だけでなく、ホームの関係者の方々にとってもかなり負担だったと思う。

重要事項の説明義務は、ホーム側でも厳格なルールがあると思うのだが、ホームの責任者はとても丁寧に需要事項の説明を行ってくれた。正確には覚えていないが(最終的にはボーゼンとして)、ゆうに2時間は説明に時間を割いてくれたと記憶している。実際は私よりご担当者が相当疲れたことだろう。ほかの仕事もたくさんあるだろうに。

その時交わした契約書は、
・ 登録事項等についての説明(高齢者住まい法第17条関係)
・ 施設の重要事項説明書
・ 建物賃貸借契約書
・ 重要事項説明書 [建物賃貸借]
・ 訪問介護サービス契約書
・ 訪問介護サービス重要事項説明書
・ 介護保険外サービス契約書
・ 個人情報の使用に関する同意書(介護保険)
・ 食事提供サービス関連の契約書
・ 個人情報の使用に移管する同意書(施設関連)

後、福祉用具に関する契約書と重要事項説明書。

とにかくひどく疲れるのである。

13時くらいから全体的に契約手続きを初めて、ホームを後にしたのは18時半くらいだったろうか。

さすがにへとへとに疲れてコンビニ弁当を買って実家のマンションに帰って(ホームから自宅は徒歩10分)、それから契約書に必要事項の記載と押印を行う。

それぞれ正副あって、母の名前、母の奈良の住所、私の名前、母との関係、私の住所、いったい何十回記載したろう。そしてそれぞれの名前の後ろと製本の境目、正副を証明するための割り印のため、いったい何十回母の印鑑と私の印鑑を押印しただろう。

同時に契約書の記載事項をすべてきちんと読まなければならない。

ホーム側を疑う気などさらさらないが、こちらがきちんと理解していないとホーム側に後から迷惑をかけることになると思ったのである。

東京に戻る前に、わからないところはきちんと質問をしておかなければ。コタツでコンビニ弁当を食べながらビールを何缶も飲みながら、終わった時には24時を回っていた。ほんと疲れた~。

翌日、再度ご担当者にわからなかったところの確認をしてからすべての書類を提出した。

蛇足ながら、サービス付き高齢者向け住宅は賃貸住宅の契約の一種なので、別途火災保険の契約も必要となる。こちらもホームと契約の損害保険会社が電話と郵送で対応をしてくれた。


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介護サービス打ち合わせ

サービス付き高齢者向け住宅というのは、賃貸契約を結んで自宅の代わりに当該住宅に居住しつつ介護サービスを受ける、というものである。

なので、施設に入居をしたら介護度に応じた「区分支給限度基準額」の範囲の中でどのようなサービスを提供していただくのか、ケアマネージャーと当該施設の介護担当者と打ち合わせをしなければならない。

これは事前にケアマネージャーが準備をしてくれているので、基本、説明を受けるのみである。もちろん分からないことやその他特別な希望があればその旨を伝えてサービス計画書に加えていただくこともできる。

例えば今回母が利用することになったサービスは、

・ 居宅療養管理指導(定期的にホーム提携医師の往診を受ける)
・ 居宅療養管理指導(ホーム提携薬局から薬の処方を受ける)
・ 入浴介助(訪問介護)
・ 居室清掃、シーツ交換、洗濯、ゴミ捨て、買い物代行等(訪問介護)
・ 起床介助、就寝介助(訪問介護)
・ 介護用ベッドとその付属品(ガードなど)の貸与(福祉用具貸与)
・ 歩行器貸与(福祉用具貸与)

である。

こちらからも母の状況(私が東京に在住していることを理解できていないことなど)を伝えて、今後の助けをお願いすることとなる。

入金

施設の料金は当然ながら前払いなので、入居日前に入金をしなければならない。私のケースでは入居日が3連休明けの2018年12月25日(火)だったので、その前営業日である12月21日(金)までに振り込みを行う必要があった。

メールで明細書を送っていただき手続きを行う。

明細は、

・ 敷金(施設によって必要な場合とそうでない場合とがある)
・ 12月分費用(日割り)
・ 1月分費用

月次の費用の内訳は施設によると思う。母が利用することになった施設の場合は、

・ 賃料
・ 共益費
・ 生活相談サービス費
・ 食事代

である。

「賃料」はその名のとおり、母が居住する部屋の賃料である。前述のとおりサービス付き高齢者向け住宅はお部屋の賃貸契約なので、要は部屋代である。

「共益費」も賃貸の部屋同様の考え方と理解していただいてよいと思う。母が利用する施設は、個別の水道光熱費を徴求しない。どちらが割高なのかは分からないが、季節を問わずエアコンを気にせず利用して欲しいし、テレビや照明や冷蔵庫、電子レンジ等部屋に設置しているので、共益費の中に水道光熱費が含まれているのは利用者としてはありがたい。

私が見学させていただいた施設の中には、部屋ごとに個別に電気代を実費で徴求するところもあった。繰り返しになるがどちらが割高なのかは分からない。でもしんどいので電気代など気にしたくないのだ。正直なところ。

「生活相談サービス費」は、この施設の特色であるらしい。ほかの施設のことが分からないけれど、「区分支給限度基準額」で賄っているとキリがないちょっとしたケア・・・例えば夜中に苦しくなってナースコールを押したとか、普段は一人で食べられる食事がその日は体調が悪くて介助を要したとか、そういったものは一々課金するのでなくこの費用の中で賄います、というものだそうだ。極端なワガママがなければ、上述の介護サービス計画書に含まれていないものでも臨機応変に対応していただくための費用なのである。(という説明を受けた)

入居

上記のようなことを踏まえて、ホームへの入居となる。すっかり長くなってしまったので、ホーム入居の日のことはまた別の記事にしたいと思います。

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