「手作り発酵食品で豊かな食を」講座の第4回は甘酒です。
この5回の講座のうち、この甘酒の回を楽しみにされていた方が多かったようです。
<そもそも甘酒とは>
江戸時代から親しまれ、夏バテ防止のために飲まれていました。
また、悪酔い防止のためにお酒を飲む前に甘酒を飲むことが武士の作法だったそうです。
造り酒屋が夏の作業が一段落する期間に麹を使って作っていたもので、俳句では夏の季語になっています。
最近では「飲む点滴」とも言われ、健康面への効果が注目されていると同時に、美白などの美容面への効果から「飲む化粧水」とも言われているそうです。
甘酒というと、私はそもそも、冬の季節に酒粕に砂糖を入れた暖かい飲み物をイメージしていました。今回の講座で作ったのは、米と麹と水だけで作る甘酒です。砂糖は使用せず、発酵することで麹菌の酵素が米のでんぷんをブドウ糖に分解して自然の甘みが出るそうです。
市販の熱殺菌処理された甘酒に比べ、手作りの生甘酒は酵素と補酵素と菌の宝庫で、数えきれないほどの効能が期待されます。
生甘酒はそのままではどんどん発行が進み次第にアルコールに代わるので、市販の製品の場合は品質を安定させるため熱殺菌処理を行います。この火入れをすると菌も死滅し、酵素も効果を失ってしまいます。
甘酒は冷やして飲むのが効果的だそうです。
温める場合は60℃まで。(酵素が死んでしまうので)
飲む量は一回おちょこ1杯程度、一日コップ1杯程度が目安です。
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<甘酒の成分>
アミラーゼ
プロテアーゼ
リパーゼ
セルラーゼ
ビタミンB群
必須アミノ酸全種
コウジ酸 など
<材料>
炊いたご飯 240g(=1合分)
水 1.5合(270cc)
米麹 2合
水 600ml
<作り方>
1. 炊いたお米と1.5合の水を鍋に入れ弱火にかける。
2. 沸騰し、水分が蒸発してきて、水がお米より上1cmくらいになったら、火を止めて蓋をし、余熱でお米が水分を吸うまで30分くらい放置する。(お米の固まった部分はほぐす。練ってドロドロにしないこと)
3. お鍋に米麹と水を入れ、50~60℃で8時間保温する。(12時間以上保温しない。それ以上保温しても甘くならない)
4. できあがった甘酒は冷蔵庫で保存する。1週間くらい食べられる。
この日は行程3.の鍋に米麹と水を加えて60℃まで加熱したところまで講座で行いました。その後あらかじめ各自準備していた保温性ポットに作った甘酒を入れて自宅に持ち帰りました。
保温性ポットは事前に熱めのお湯を入れて中を温めてから甘酒を保存します。
保温性ポットだけだと8時間も60℃を維持できないので、4時間ほど経った後、甘酒を小鍋で再度60℃まで熱し、ポットを洗って再度お湯で中を温めてから残りの4時間保温しました。
その後、冷蔵庫へ。とても美味しく出来上がっていました。
毎日少しずつ美味しくいただいていたのですが、1週間後に急遽数日間家を空ける用事が出来てしまい、1週間で食べきることができませんでした。
戻ってから味見をしてみましたが、2週間近く経っているにも関わらず特に味に変化なし。引き続き食べ続けていました。
結局3週間近く、美味しくいただきました。3週間経ったころさすがに酸っぱくなり始めました。